一日の初めに

一日の初めに、詩を声にすることから始めています。
夜の開ける前、稽古は、静かです。

しばらく、詩を稽古していませんでした。
昨年は、長編の物語や民話に取り組んでいました。
お話の語りに取り組むとき、
総合的に語りの技術を考えることになります。
だから、お話を稽古することで、詩を声にすることが、向上すると考えたのです。

事実、そうかもしれません。
けれど、語るぼくが書いた詩であるので、すこし事情が違ってくるように思います。

詩に取り組むことで、ぼくは、
技術ではない、想いのようなもの、
生きていることから生ずる、ある深みを持った個人の詩情を、
取り戻すように思います。

これは、ぼくから生まれたことばであり、
ぼくにしかできないことであるからだと思います。

この詩情に、毎朝触れることで、一日は、
その質が変わりました。

朝、一番初めに何をするのか、
自分の中心に、明かりを灯すように、
ぼくは、詩を、その詩情を生きようと、
声にすることに取り組んでいます。

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