コオロギ

朝からコオロギの声がする
たしか立秋の 前の日からだった
夕方、第一声が聞こえたとき
鈴の鳴るのを聞くようだった
それから
また一匹 一匹と
少しずつ増えていった
故郷のコオロギはもう鳴いたのか
覚えている景色は
やはり
夕暮れの光の中で
大根の種を降ろしているときだった
暑さに土を忘れるが
土を思い出し
畑の草むらにすわる頃
コオロギが鳴く

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