朝の、まだ夜の明けきらない静かな時間、この時間が私は好きです。希望も不安も、いっしょくたくに引っさげながら、ただ、受け止め、生きていくしかない、この時間が。
いや、その受け止め生きていく昼間の生活がはじまる前の、あらゆる、自分の心が浮かび上がる、この時間が好きなのです。
未熟であり、分からなさの中にある、この自分の想いが、スーッと静かに浮かび上がってくる。
未熟であり、分からなさの中にあるのに、浮かび上がってくるのは、不安だけではなく、希望に似た温もりもある。そして、それらがスーッと透き通ってくる。朝は、新しい、そして一日も。けっして古びない。
分かち合うものは、私が知り得て持っている何か、ではなく、未熟であり、分からなさの中にあるという、自分を認めているときにある、どこか波が砕けたような、やわらかなものなのではないか…と、そんな気がする。
朝の、まだ夜の明けきらない静かな時間に、私は、小さな安らぎを見る。
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