「火事息子」を語ります。
【2月23日「火事息子」を語ります】
もうすぐ出発する九州ツアーで、
4年かけて覚えた「火事息子」という古典落語を語ります。
このお話は、学校の言語造形の授業で、12年生(高3)の生徒が毎年取り組んでいる作品ですが、全編だと長いので、授業では最後の方だけをやっています。
先日、今年度の発表を終えましたが、ご覧くださった先生が、しみじみと、
「何度聞いても、良いお話ですね」と、感想をくださいました。
私は、落語は詳しくなく、作品選びには自信がないのですが、200作品程あらすじを読んで、これだと思ったものを選びました。
「火事息子」を、文字ではなく、語り(声)で聴いたときには、ラストは、泣けて泣けてしかたがありませんでした。
親と子の情を扱った噺ですが、私も四十も半ばに来て、心に感じるものが大きくなったなと思います。歳をとる豊かさとは、案外、こういったところにあるのかもしれません。
4年もかかったのには理由があって、本格的な長編の落語なので、途中で何度も止まってしまい、上演までこぎつけなかったのです。
それでも、昨年11月に、「2月にやるぞ」と決めて、最後まで取り組むことにしました。決めた朝、空には彩雲が現れました。
順風満帆のように見えますが、実は、そうではなくて、年始からインフルエンザにかかり、10日程も寝込みました。その後もなかなか快復せず、だめかもしれないと思いましたが、寝込みながらも、決めたことはやらねばと、39℃の熱の中、布団の中で、ブツブツつぶやいて稽古をしました。
このとき、熱にうなされながらやっていなかったら、間に合っていなかったと思います。
何が何でも乗り越えるつもりでないと、このお話は語れないのだと思いました。
ご縁合いましたら、ぜひ、足をお運びください。
(「火事息子」以外の落語も語りますよ)
以下、詳細です。
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「おはなし音つむぎ」
~~落語とヴァイオリンで織りなす 親子の夕べ~
〇とき: 2025年2月23日(日) 18:00~20:00
〇場所: 波佐見町小樽郷改善センター
〇出演: 稲尾教彦(語り) 水声(mikoe)ヴァイオリン
〇参加費: 無料(カンパ歓迎)
〇お問い合わせ mihoubiscuit@gmail.com(稲尾)
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「火事息子」のあらすじ
江戸で大きな質屋を営む伊勢屋。
その伊勢屋の一人息子である吉三郎(よしざぶろう)は、小さい頃から火事が好きだった。しかし、跡取り息子であるため、火消しになることを、親からあらゆる手を使って禁じられる。吉三郎は十九の時に家出をし、正当な火消しではなく、臥煙(がえん)と呼ばれる、いわゆるヤクザの様な、火消し屋敷の人足になった。
父親は息子を勘当し、5年の月日が経った。
そんなあるとき、伊勢屋の近くで火事があった。
吉三郎はその火事の様子を見るために、実家のそばに立ち寄る。
そこで、父親と母親に会うことになる・・・
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