「金運」
三学期が終わると、学校の大掃除を保護者が行う。
男子トイレを掃除していたときに出た、金運の話である。
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私は小便器に、研磨剤を付け、金ダワシで磨いていた(ゴム手袋をはめて)。そのとき、「トイレ掃除って、金運が上がるって言いますよね」という話になった「トイレの神様がいて、トイレをきれいにするとお金が湧いてくるんですよ」とAさん。
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そこまで聞いて、そうか、金運の話は聞いたことがあったが、トイレの神様がいるのかと思って、俄然、金ダワシに力が入った。「ああ、そうなんですね、知らなかった~」と隣で掃除していたBさん。「Bさんはトイレ掃除やってます?」と、Aさんが訊くと、「私、トイレに入るたびにちょこちょこやってます。家族が多いし、トイレが汚れているのが気になっちゃうたちで、人の家に行った時も、こっそり掃除しちゃったり(笑)」.
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思い当たることがたくさんあり、なるほど~と思った。
入るたびに、ちょこちょこ掃除していれば、いつもきれいで清々しい。金運も良くなるとしたら、一挙両得だ。
念入りな掃除のおかげで、男子便器はピカピカの「新品」になった。
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さて、話はここからである。
その大掃除の帰りに、学校の駐車場に行くと、なんと、車の横に千円札が落ちていた。
さすがにもらうわけにもいかず、事務局に落とし物で届け出た。
その翌日、早速朝起きてすぐ、トイレ掃除をした。そうしたら、その日の午前中に、近所の大工さんが薪(不要の建築端材)を持ってきてくれた。
その翌日は、急に、お菓子の納品があった。トイレの神様は、結構気が早いようだ。
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秋になると語る「青いたま、赤いたま、白いたま」(三枚のお札の類話)という民話がある。そこでは、鬼婆から逃れるために、小僧が便所に逃げ込むが、そこで、便所の神様が出てきて、三つの玉を授けてくれる。鬼婆に「まだか」と訊かれて「いま、黄金のまっさかり~!」という返事もある。便所は黄金とつながっているのだ。
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