新詩集を作ります


「今年の夏、新しい詩集を作ります」


おや、と思うかもしれません。
おととし、発刊したばかりなのに、もう次なのか、と。

娘にも、「この前作ったばかりじゃないの」と言われました。
「この前じゃないよ、二年前だよ」と僕は返事をしたのですが、娘は、昨年、新詩集「ひかりのなかのこども」を出したと思っていたようです。
実のところ、ぼくも、そんな気がします。
詩集が、ずっと、生活に寄り添い、気持ちのそばにあったからでしょうか。



さて、今回作るのは、小さな詩集です。
といっても、20篇程の詩が入っていて、そこそこのボリュームがあります。
今回の作品は、ここ三、四年前から書き溜めていたものの中から選んでいます。

この詩集の方向性といいますか、テーマは、一言でいうと、
「魂の花束」です。

私事になりますが、先日、長崎で行った語りの公演を通して、両親に手向けたもの、それが、僕にとっての魂の花束だったのですが、その公演を終えたからこそ、今回の詩集の中心になるものができたと感じています。

両親への想いとか、恩返しとか、あまり直接的に書いているわけではありませんが、この詩集の底辺に、そうした想いが含まれていると思います。
親から子へのまなざし。それは、ぼく自身の子どもたちへのまなざしにもなっていく。


詩人、吉田絃二郎氏は
「詩は、人間の行為の最深所で生きているもの」と語っています。

最深所に脈打っている、かすかな響き。
それらに耳を澄まし、僕も書き継いできたように思います。

夏休み前に、刊行の予定ですので、たのしみに待っていてくださいね。

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