「九州ツアーのこと」
このところ、本当に忙しく、
何とか間に合った、というような形で、九州へやってきた。
実家の波佐見に降り立って、ようやく、 こころが少し落ち着き始めた。
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紅葉し始めた木々。
穏やかな秋の日差し。
そして、老いた両親との再会がこころをゆっくとさせた。
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家を旅立つまでは、 あんなに慌ただしかったのに、 出発すると、こころ落ち着くものなのだから本当に不思議だ。
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私は、 家にいることが好きな質であるが、 時に家を出て、 旅をしなければならないのかもしれないと思う。
また旅人は、 こうして心を落ち着けるために旅をするのではないか、と、 そんなことを考えたりもした。
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11月 8日 、公演初日。
コンサート「風の路 」。
福岡南キリスト教会で、重松壮一郎さんとのコンサート。 重松さんとは かれこれ 20年来 共演してきた仲である。
佐世保から福岡までの車中で、 たくさん話をした。そこで話したことも、 今回のコンサートの MC に織り交ぜた。
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「風の路」…
風に感じるとはどういうことか。
風の中に深く佇んだ場所の話。
そして忘れられない夢、その夢の中にも吹く風…
風によって、心を洗われ、 いつのまにかこころが何かを手放し、変わって行く…
そうした 風の路に吹く、音と言葉、 静けさを紡ぐコンサートとなった。
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11月9日
二日目は、 桧原シュタイナー 土曜学校のバザーにて、おはなし会と出店。
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この日のおはなし会で、 私は初めての嬉しい体験をした。
10畳ほどの 部屋に、文字通り、ぎゅうぎゅうに座り、お話をする。
こんなぎゅうぎゅうは初めてだった。 (入れない人もかなりいたので、 追加の公演もした。しかも違う話)
けれどもこのぎゅうぎゅうが、 逆に心地よく、 皆さんが固唾を飲んで、 お話に入っていく様子が見え、 また部屋全体が呼吸のようになっていた。
ろうそくに火がともり、消えるまで、 ひととき、 おとぎの扉の向こうにいたような 感覚があった。
そのあと、小学生以上対象で落語も語った。 これがまた 喜んでいただけて、 大人も子どもも大きな笑いに包まれ、 終演後、 「涙が出ました …笑いすぎて 」という有難い感想をいただいた。
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土曜学校の先生方から、「テレビなどの誘導された笑いではない物語の中での 質の高い本当の笑いを感じました」と、感想をいただいた。
こうした質の笑いを、今の人たちは欲しているのではないか、とも思う。
北海道からやってきた自分のおはなし会のために、一部屋まるまる 開けてくださり、 多々準備もして温かく迎え入れてくださった土曜学校のスタッフの皆様、
皆様の準備や 気配りがあってこそ、こうしてみんなが楽しめるおはなし会になりました。心から感謝申し上げます。 来年もまた 呼んでください。
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11月11日
公演三日目。
潮見幼稚園でのおはなし会と、コンサート 「言の葉の音つむぎ」。
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行くたびに懐かしい気持ちになる、 長男が通っていた 潮見幼稚園。
その時のご縁で、 こうして毎年園児たちにお話をさせていただいている。
本当に元気な子どもたち。
年長さんはさすがで、 聞いている時も前のめりで、 終わった後の礼も、しっかりと正座をして、一礼。
何でも、 園で茶道をやっているとか…。
小さいうちに茶道を学ぶのは本当に良いことだと私は思う。
難しいことは分からなくても、 礼儀の型、所作に触れられる。
その後にまた高校生ぐらいで茶道に触れられたら尚良いのではと思う。
お話も、 一服のお茶を点てるように語りたい…と常々思っている。なかなか、全くそのようにはならないが…。
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帰り際の子ども達とハイタッチ。
みんなのニコニコの顔がこころに残った。
そして、この日は園長先生のご配慮で 、給食を食べさせていただいた。
潮見幼稚園は自然食レストランから給食を取り寄せていて、素朴でとても美味しい。
長男の担任でもあった 園長先生と、 おしゃべりしながらの昼ご飯が何とも楽しく嬉しい時間だった。
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その日の夜は、佐世保市のビル 3階にある 「かのん奏音」で、コンサート「言の葉の音つむぎ」。 これも重松壮一郎さんと共演。
キャンドルナイトで、室内はたくさんの明かり。 大きな窓からは、佐世保の夜の街明かりが浮かび、お客さんも、どこか遠いところへ来たかのようだと仰っていた。
深まりゆく秋の静まり、
静けさから言葉と音を紡いで、ゆっくりと、闇の中にある、中心の光にタッチするような、そんな時間だった。
重松さんのピアノの音も、一音一音、より鮮明に浮かび上がっていくように思えた。
オーナーさん曰く、
奏音での夜のライブは初めてとのことで、 これから 夜のコンサートも 増やしていけたらと思っている、とのこと。 とても良い雰囲気なので 夜のコンサートなどに是非いかがでしょうか。
ツアーは、まだまだ続く。
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