「詩集を贈る」
年内最後の語りの会「笠地蔵」。
朝から準備があり、忙しかったが
どうしてもやらねばならないことがあった。
一昨日夜に届いた詩集「魂の花束」を、
なんとしても、誰よりも先に、
まず両親に贈らねばならぬとの思いがあったのだ。
夜明け前から一筆書き添え、封をし、投函した。
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一筆書き終えたところで、やっと、
この詩集が、僕の胸の底へ
僕の元へ、やってきてくれたような気がした。
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詩には、あまりに個人的な思いを書いたつもりではないが、
親への感謝という言は、ともすれば、紋切り型の言葉になってしまうきらいがある。
けれども、鶴見俊輔氏曰く
「極限のところではその紋切り型の言葉がものを言う」と谷川俊太郎氏との対談で語られていた。それに共感した谷川さんの態度に、初め、新鮮さを覚えた。
それは、谷川さんが、紋切り型の言葉を避けるところに、現代詩の詩作がある、と常々言ってきたからだ。
その「極限のところ」とは何だろう――。
書き手は涙で書かねばならないのだ。
十分に、言葉を選びつつ。
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人はいつから、その意味で、泣かなくなるのだろう。
美しい涙を流さなくなるのだろう。
人前では、もちろん慎むべきことだと思うが、
暗涙胸に流す、良心を持たねばならぬと思う。
その一筋の流れが、世を光り、輝かせてくれるのだと思う。
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