こころに残っている 2025年05月01日 「こころに残っている」 近所の友人家族が訪ねてきて、ぼくの畑が見たいというので、一緒に案内をした。 春先は、まだ何も育っておらず、手も付けていなかったが、 行者ニンニク(アイヌネギ)だけは芽を出していた。 一昨年、知人に株を分けてもらい植えていたものだ。 畑から戻ろうとするときに、畝のそばのグミの木が目に入った。 日当たりを良くするために一昨年の晩夏伐ったその木からは、 …続きを読む
永遠の結ばれとして 2025年04月23日 <永遠の結ばれとして> 6月1日に、福岡で予定していた朗読会が中止になった。 (5月の末から九州に足を運ぶ予定です。また別の会場で開催を予定しています。) 主催者のお母様が亡くなられ、朗読会の日が、ちょうど四十九日頃に当たるという。 急逝であったということで、ご心痛を察した。 お母様は八十五歳だったとのこと。 … 八十五歳と聞いて、ハッとした。 私の父も、…続きを読む
歌は「訴ふ」/詩は宗教的なささやき 2025年04月17日 4年生のアミくんは、ここ最近はめっきり読書家になった。 数日前にはヴィクトル・ユーゴ―の「嗚呼、無情」(レミゼラブル)を一日で読み終えた。 少し前の、お兄ちゃんのような具合である。 「お父さんの書斎は本でいっぱいだね。」 そう、書斎は、部屋の隅。本の壁に囲まれ、小さな机がやっと入る一畳程のスペース。 でも、その古道具屋のような、隠れ家的空間が気に入ってもいる。 「うん、そ…続きを読む
新詩集を作ります 2025年04月14日 「今年の夏、新しい詩集を作ります」 おや、と思うかもしれません。 おととし、発刊したばかりなのに、もう次なのか、と。 娘にも、「この前作ったばかりじゃないの」と言われました。 「この前じゃないよ、二年前だよ」と僕は返事をしたのですが、娘は、昨年、新詩集「ひかりのなかのこども」を出したと思っていたようです。 実のところ、ぼくも、そんな気がします。 詩集が、ずっと、生活に…続きを読む
声と詩に関する考察 ~母親の声を切り口に見えてきたもの~ 2023年07月24日 「声と詩に関する考察」 ~喃語期に赤ん坊が母親の声を真似する、という説から見えてきたもの~ 私(たち)が求めている、「自分の声」とは、いったいどんな声なのだろう。 声が、魂のバロメーターであるのなら、どんな時に違和と感じ、どんなときに、正当だと感じるのだろう。 その問いに対する一つの方向性が、あるとき、ふっと浮かんできた。 同時に、その方向性は、私にとって、人生全体を通して…続きを読む
秋空の中、思い出したこと ~「珈琲道ぢろばた」での思い出~ 2022年09月28日 秋空の中、思い出したこと 二週間ほど前に、転んでひざを痛めたので、しばらく、朝のジョギングを怠っていました。けれども、このところの、青い秋空につられて、ジョギングに出かけました。 (ジョギングといっても、半分は歩いたりで、散歩のようなものなのですが) しばらくぶりだったからなのか、外で体を動かしていなかったからなのか、それとも、ここ数日、内に入るような日々だったからか、秋という…続きを読む
「ぼくは、詩がわからない人だからさあ(笑)」 2021年06月23日 辻征夫著「私の現代詩入門」~むずかしくない詩の話~(思潮社)では、色々な詩人が紹介されているけれども、最後が谷川俊太郎さんで、その内容がすこぶる面白い。辻さんと谷川さんは知り合いで、半分対話形式となっている。面識のない誰それの詩人論を書くよりも、知り合いの詩人と会って、喋っている方が面白いことが飛び出てくるように思うのはぼくだけだろうか。例えば、谷川俊太郎さんが、「母親に愛されてきたという実感が…続きを読む
遠くからの音 2021年06月03日 遠くからの音 詩を考えていると、詩は、 遠くから聴こえてくる音に似ているなと思う。 遠くから聴こえる音を聴くのが好きだった。 ふっと、 日常の喧騒から離れて。 晴れた日の風の音。 風が木々の葉をそよがせる音。 鳥の声。 雨音。 トタン屋根のポツポツという音。 空の向こうに消え入るような町の音。 夕暮れ時の家々の生活の音。 ラジオのような声。 料理の音。 …続きを読む
清水茂さんの詩「どんな葡萄酒を」 2021年05月27日 懐かしさと新しさ。まど・みちおさんの詩のことを書いていたら、ある詩を思い出した。詩人の清水茂さんの詩集「暮れなずむ頃」を手にしたのはいつの頃だったか。初めて読んだ時から、そのことばの繊細さ、ちいさなこころのふるえに、そっと寄り添うようなその詩に、引き込まれた。立ち止まらせるような感覚があるのに、次、次と、読む手は止まらなかった。読む薬のように、清水さんの詩集はいつも手元にある。少々長いが、清水茂…続きを読む
まど・みちおさんの詩の話 2021年05月26日 まど・みちおさんの詩の話 懐かしさと新しさ 少し前、「そのへんを」という、まど・みちおさんの写真詩集を読んだ。まどさんは近年104歳で亡くなられたが、この詩集は94歳の頃の作品である(ちなみに、同じ山口県出身の金子みすゞと4歳しか違わない)。その詩集の巻末に、写真家の方との対談が載っていて、そこに考えさせられることが書かれてあった。手元に本はなく、思い出して書いているので、少しことばは…続きを読む
詩ってなんですか 2020年06月18日 開催が延期され、8月に開催予定となりました、 詩と絵の展覧会のこと。 ほぼ、絵の描きあがった画家の賢太郎くん。 (ぼくは、親しみを込めて、賢太郎くんと呼んでいます) 今回一緒に作品作りをして、毎週のように、作品のことや、こまごま打ち合わせをする中で、 よくよくわかったことは、賢太郎くんは 絵を描きながら、どのようにお客さんにこれを提供するのか、というところを意識して絵と芸…続きを読む
理由のない悲しみと詩 2020年05月20日 理由のないもの思いに沈んだり、死を思うようなとき、 藁をもすがるように、言葉に手を伸ばすのかもしれない。 言葉が、底辺を支えるから。 底辺に言葉が見つかることで、どこか慰められるようなこころで生きていくことが できるのかもしれない。 生きていると、寂しいことや、悲しいことや、憤ること、いろいろなことがある。 理由があればまだいいのかもしれない。 理由なく悲しむこころ、 理…続きを読む
朗読 と 朗唱 2020年05月18日 朗読 と 朗唱 実際に聴いていただいていない状態で、こういうことを書いて伝えるのは難しいと思うのだが、 ちょっと、思うことがあったので、書いてみようと思う。 ピアニストの友人からの依頼で、この時代に届けたいこと、をテーマに、詩の朗読を音声で撮って、 そこに音楽を添えて発信していきたいとのことで、ぼくに、詩の朗読をお願いされた。 自作詩「花と雲」をと思い、練習もして、朗読を録…続きを読む
丸一日 2020年03月16日 朝から、ほとんど一日中、 詩作に向ってすごした。 語りの方も、息子の稽古をつけただけで、 あとは、詩作に専念する。 6月の展示のためであるが、 こうして、自分の内にある、言葉になっていない想いを 言葉にしてゆく作業は、 形になることで、なんともいえない充足感に満たされる。 もし、丸一日かけて、ただの一行も進まなければ 費やされた時間の重さに、現実が打撃を加え、 …続きを読む
暮らしのなかの出来事が 2020年03月06日 山村暮鳥の詩集を読んでいると、ふとこんな詩が目に付いた。 * 憎悪のなかにも…… 憎悪のなかにも愛がある その愛をたふとめ あるとき 着物についた草の実が しみじみと自分に この一つのことを気附かせた * 生活の中で、ふとしたことの中に、このようなことを 見つけることが確かにある。 なにもな…続きを読む