火事息子を語り終えて

息子を、無事語り終えた。 「最後の噺、火事の落語、あれは、最後、本当に良かったね、良か噺やった。」 「うん、良かった、上手かったばい」 と、両親から、褒めてもらった。 思えば、こうして両親から褒められたのは、今まで生きてきて初めてだった。 初めて褒め言葉をもらったのが、僕から両親への、 おそらく最初で最後になるであろう、魂の花束であったことが、今日、心に刻まれた。

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アミくんの詩の朗読

【アミくんの詩の朗読】 ​ ​ 夜、ふと思いたって 末っ子アミくんに、詩の朗読をしてもらった。 ​ 寝かしつけの時、いつもは、ぼくが絵本を読んであげていたのだが、アミくんは3年生にもなって、ずいぶん読める漢字も増えてきた。読む前に、詩に目を通してもらい、「これは何て読むの・・・?」と訊く漢字の読み方を教えてあげてから、読んでもらう。 ​ ​ まっすぐで、ためらいがなくて、 で…

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私を呼んでいた、美呆の童話

【私を呼んでいた、美呆の童話】 今日焼いた「魔法の杖」(黒ゴマのクラッカー)は、特別おいしくできた。 単に「おいしい」というのではなくて、 何かが違って感じられた。 なぜ、こんな風にできたのだろう。 材料や作り方の違いで、 思い当たることはない。 あるとしたら… 昨日の晩、朗読会で、 「美呆の童話」を朗読したことだ。 美呆のコンセプトとなっている、この…

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心の中に いつまでも歌う

【心の中に いつまでも歌う】 ​ それから、今回のコンサートで初となる、 特別なことがあります。 ​ 太田亜紀子さんの代表曲である 「心のままに向く方へ」 の歌詞を朗読することになりました。 (この歌が朗読されるのは、初めてだそうです) ​ この曲に、特別な想いがあることを、 亜紀子さんはコンサートのときに語ります。 ​ 亜紀子さんは高校生の頃、大親友を病気で亡くし、そ…

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こころを、汲み取る力 ~太田亜紀子さんとのリハーサル~

一昨日、 水曜日、実に一年ぶりに ピアニスト太田亜紀子さんと、 響き合わせをした。 昨年に増して、亜紀子さんの、 詩情を汲み取り、ことばと声に寄り添う力が 深まっていることに、驚かされる。 どうして、このように、 詩の世界を、こわさず、 温かく、 ふくらませていくことができるのだろう。 特に、 「滝で見た妖精とあり達」 の詩では、 いままで語ってきた中で、…

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美しい涙

美しい涙を、見た。 「永遠まで」の終演後、泣きはらした眼をして、感想を話しに来てくれた若い女性があった。 その方は、以前に、詩集「涙の歌」も購入してくださり、その涙の方向性、言いようのない悲しみや、自己消化するしかない存在の苦しみに触れ、とても感銘を受けていたという。 そして、今回の「永遠まで」。 レアンダーの物語の、そのテーマとなる、赦しと愛が、「天上から地上に生まれ落ちた…

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公演「永遠まで」を終えて

‐ 公演「永遠まで」が、無事、終わりました。 今回、レアンダーの二つの物語から、「永遠まで」という、タイトルを思いつきましたが、そのことばが、ひとつのテーマをもって、僕に考えさせました。また、そこから湧く想いで語りました。 ・ ぼくは、この物語を語るとき、その一息、一息の合間、聴いてくださっている方の存在にも耳をすませながら語りました。 「永遠まで」という、その…

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両親と共に訪れた、久留島武彦記念館

≪両親と共に訪れた、久留島武彦記念館≫ 九州での講座から帰ってきた。 講座以外の時間、波佐見の実家で過ごし、今回の旅では、両親と過ごす時間も今までより多く取れた。父は今年85,母も80となる。 このときを、大切にしなくては、と思う。 ・ ・ 滞在中、両親と一緒に外にご飯を食べに行った。 外食を一緒にするなど、もう10年ぶりかと思う。 「長崎ちゃんぽん」を食べたいと僕が言えば、…

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ある老俳優のことばを思い出す

ここしばらく、右足を痛めていて、 いろいろと、 すすみが、ゆっくりです。 なかなか治らない、ねんざ。 思えば、小さい頃、毎日のように、 なにかにつまづいて、ころんでいました。 いえ… なんにもないのに、つまづいていました。 そして、よく、ねんざをしたものです。 おかげで、ゆがんでいた体が もっと、ゆがんだと思います。 ここ10年は、ゆがみをととの…

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小豆の絵本

それからもう一つ、ハラペコさんで、忘れられない出来事があった。 スタッフの方が絵本を描いたので読んでほしいと言われ、拝見させて頂いたのだ。それが、本当に素晴らしく、こころに残るものだった。ハッとさせられた。 そのスタッフの方は農業をされていて、豆を育てている。里の市では、小豆の量り売りをされていたが、さやから小豆を取り出して買うこともできて、もれなく参加賞として、さや(笑)と、豆も付いてくる…

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ハラペコさんにて 、 感謝の溢れる時間

思い出のトンネルをくぐって、名張のハラペコあおむしさんに着いた。奈良の桜井に住んでいた頃から、ずっとお菓子を取り扱ってくださっている、一番お付き合いの長いお店だ。・そのイベントスペースであるハラペコso-coさんにて、午後から詩の朗読会。夕方は、子どもと楽しむおはなし会。夜は、ハラペコのスタッフさん、ご家族も集まって夕食会。・地元のオーガニック野菜が多く集まる自然食品店だから、料理の一つ一つが、…

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詩とピアノの夕べ「ひかりのなかのこども」を終えて

詩とピアノの夕べ「ひかりのなかのこども」を終えて 夢のような時間でした。 終演後、数日、その余韻の中にいて、しばらく着地点をさがし、ふわふわとしておりました。 ・ これほど深く、詩が語った、ということ。 それは、ずっと音で寄り添い、奏でてくれた、共演者の太田亜紀子さんがいてくださったから。 そして、これほどまでに、耳をすまし、聴いてくださったお客様がいてくださったから。 ・ …

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最後の練習日の感懐

「最後の練習での感懐」 10月15日開催の詩とピアノのコンサート、最後の練習日。 今日は、最初から最後まで、通しました。 どの詩も、語り終わるたびに、深い息をついて。 深々と、深々と、息をついて。 「とてもよかった。すばらしく合っていて、詩情が引き上げられました」 と、何度言ったことか。 一つの詩に対して、これほどまで、音がしっくりと来ることがあるのですね。 いく…

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祝・新詩集発売

【祝・新詩集発売】 昨日の夕方、ついに、印刷会社から届きましたよ! 13年ぶりとなる第二詩集「ひかりのなかのこども」。 段ボール箱をあける前のドキドキ感。あけたとき、思わず、息をのみました。 静かな光がそこにあるように感じました。 もう、うれしくって、たまらない。 渾身の新詩集、今日から販売開始です。 1冊2400円(税込み) 6月中にお申込みいただいた方には、なんと、送料無…

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師匠のほほえみ

ぼくは、滅多に夢を見ないのだけれど、 ここ数日、夢をよく見る。 この前は、演劇の師匠が夢に出てきた。 いつもの迫力のある顔だが、穏やかで、めずらしくほほえんでいた。 「ここがぼくの実家のおおもとで」 と、ぼくは、波佐見にある、 父方の長兄の家の前に立っていた。 「以前、聞いたから知っている」 と、師匠は答え、なぜか、ぼくを見て写真を撮った。 良いお天気だった。 …

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