芸術の才能とは何ですか 2025年03月18日 「芸術の才能とは何ですか」 いつもウォーキングしている森の道に、大量のゴミが落ちている。 通るたびにこころを痛めるので、ゴミ拾いをした。とりあえず、ひとまず今日は、「缶ゴミ」を拾おうと思って、レジ袋を片手にさあ出発。 . . . 落ちてるわ、落ちてるわ。2分で、あっという間に、20缶は集まった。 すると、向こうから、犬の散歩をしている人が通りかかった。普段は見かけな…続きを読む
これは誉め言葉である 2024年07月21日 「これは誉め言葉である」 公演「小さい針の音」の感想を詳しく話してくださった、レッスンの生徒さんがあった。そこで、驚くべきことを聞いた。 その生徒さんは幼児教育の現場で保育をされる方だが、離れて暮らしている大学生の娘さんと電話で話していたら、その公演の話になって、「どんな話だったの」と訊かれたから、話してあげたのだという。 そうしたら、自分でも驚くほど、事細かに細部に渡って思い…続きを読む
「どうやったら聴いてもらえるのか」と、真心をもって取り組むこと 2024年06月25日 ある日のレッスンでのこと。 幼児教育の現場でお話をする保育士の方が、こう仰る。 「この6月7月は、一年で、一番意識が散漫になる時期で、子どもたちも、集中力が切れてしまって、ほんとに聴いてくれないんです。ばたばた動いたり、先の内容をよこから口挟んだり・・・これはもう、妨害です。」 大変だろうなあと、心底思いながら話を伺う。 「でも、夏休みを過ぎて、9月になると変わるんです。みん…続きを読む
めずらしい課題 2024年06月25日 いよいよ今週末本番を迎える、レアンダー2作品の公演「永遠まで」。 九州に出ていたので、約一か月ぶりの練習となった。 九州でも稽古はしていたが、二人で合わせてみると、一か月ぶりとは思えないほどの、よい仕上がりになった。声も、間も、低く澄んで、揺らがない。 なにより、薫子さんのライアーの響きがぐんと良くなっていた。 「この一か月で、しっかり練習しておきます」 と、薫子さんは言ってい…続きを読む
「『これは芸だ』と言ってきたことが実証された」 2024年03月31日 「『これは芸だ』と言ってきたことが実証された」 そして、今日のレッスンでは、これだ!ということが起こった。 6年ほど、長くレッスンを続けてくださっている生徒さんが、私が求めていた声を出したのだ。 みずから発するという意識でもなく、 語りかけるという意識でもなく、 受け取るように発する・・・という意識。 これは実に、 自分がどの様な意識状態であるかということで…続きを読む
「身、動かざれば、こころ働かず」~あるレッスンでのこと~ 2024年03月28日 「身動かざれば、こころ働かず」 ~私、じつは、かなり抑えています~ 身体を動かして、語りの稽古に取り組むことが、どれだけ「語り」を根底から変えて、いきいきとさせるのか、考えさせられた。 ・ ・ ・ 先日のレッスンでのこと。 もう4年レッスンを続けている生徒さんがいる。 その生徒さんは幼児教育に関わる方で、園で幼児にお話をすることを前提に取り組んでいる。 幼児にお話をすること…続きを読む
悲しみではなく、あたたかみを 2024年01月09日 「悲しみではなく、あたたかみを」~長男とのある日の練習~ 小川未明の「小さい針の音」の語りを、長男の水声に聴いてもらう。 水声は、初演の語りを4年前に聴いているが、もうずいぶん前のことであるし、当時は6年生であったから、今聴いたらずいぶん印象も違うだろうなと思う。 ・ ・ 全部を語ると長いので、 前半と、中盤と、終盤という風に語った。 途中、息子は、眠っているのかと思うほど…続きを読む
レッスンでの気づき 「身、動かざれば、心、働かず」 2023年11月29日 今日は朝からレッスン。 信州に伝わる龍伝説の語りに取り組んでいるが、改めての気づきがあった。 ・ ・ 身体を動かしてダイナミックに語りに取り組むことで、こころも生き生きと動き出す。身体を動かして文章を声に出すということがどういうことなのか。言語造形に触れたことのない人には想像が難しいかもしれない。 まず、呼吸の流れを動く。 息を吐く。そこには、息の流れがある。 (日常と同じぶつぎれ…続きを読む
オイリュトミストと合わせる 2023年10月27日 先週から、オイリュトミストの方と合わせる練習をしている。 詩の朗誦と動きを合わせるのだが、ことばの響きだけでなく、息の流れまでが、どんどん目に見える形になってゆく。 詩の朗誦は、沈黙の深まりが大切だ。 けれども、下手な間は、「間延び」になる。 間の中に、息遣い、イメージが生き生きと織りなされ、空間の静けさを聴いてこそ、沈黙は深まる。 その間を、オイリュトミーは、見える形にする。…続きを読む
家族みんなで発声練習 2023年08月05日 毎朝発声練習 家族みんなで発声練習を続けている。 ずいぶんと大声だ。 窓を開けてやると近所迷惑だから、夏場でも窓を閉め切ってやる。 毎朝欠かさず、二か月以上も続いている。 三日坊主で終わるかと思ったら、続いた。 一週間続いて、そろそろ終わるかと思ったら、まだ続く。 6月に、ぼくが関西ツアーに出かけている間も、なんと毎日続けていたという。 これにはさすがに驚いた。 継…続きを読む
視線と舞台意識について(まとめ) 2023年07月31日 視線と舞台意識について 先日、語りのレッスンで、生徒さんから、視線についての質問がありました。今日は、この質問をもとに、舞台上での、語り手の視線と意識の持ち方についての、現時点でのまとめを書きたいと思います。 ちなみに、質問をしたその生徒さんは、幼稚園の保育士であり、毎日、子どもの前で素話をする方です。 「幼児の前でお話をするときは、私は人の目が気にならないんですね。幼児って、…続きを読む
力自慢 2023年07月13日 【力自慢】 お寺からエゾマツの丸太をいただいた。 力自慢をしたいわけではないが、とてつもなく巨大である。 一個の重さは推定80~100㎏。 これを、何個も車に載せ、お寺から運んだ。 6~7個ほど載せていたから、はるかに重量オーバーだ。 アミクンによると、丸太をおろす際、車体がすこし上がったという。 重いものを持ち上げるということは、語りと無関係ではない。 語りは、臍下丹田…続きを読む
「小さい針の音」の練習日 2023年05月16日 来月の公演「ちいさきもの、その祈りvol.2」に気持ちは向かっています。 ぼくは、小川未明の童話「小さい針の音」を語ります。 今日は、北原薫子さんと、音合わせの練習日でした。 5年前を思い出すように、一度、最初から最後まで通しで語りました。 ひとこと、ひとことを、噛みしめるように、薫子さんが、横で頷きながら聴いていました。 ときおり、奏でられる、ライアーの音。 物語の中に、染…続きを読む
稽古びらき 2022年11月14日 稽古始め からだが持ち直してきたので ようやく 稽古をはじめる くしゃみをしても もう大丈夫 外郎売も声に出せる 臍下丹田に息を込めこともできる 肚にちからを入れても大丈夫だ このようにして 声を出すことで からだに英気が満ちてゆく みなぎる とまでは いかずとも 腰を据え 肚に息が入り 腰から背骨がスーッと 伸び 肩がひらかれ 胸がひらかれ…続きを読む
「私の中の語り手」が語るとき ~テキストを語ることばの問題の解決の糸口~ 2022年09月09日 語りのことで、5月に「テキストを語ることばの問題」を提起したことについて、ようやく、その解決の糸口が見えてきたように感じている。 どんな問題であったかということを、今一度、簡潔にまとめてから、論考に入りたいと思う。 ・ 素語りの場合で、語り手がテキストの文章で目の前の聞き手に語るとき、そのことばが、どうしても、語りかけられていないように感じてしまう、というものだ。語り手と聞き手の間…続きを読む